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健康診断の義務

この記事の要点

従業員が1人でも、健康診断は事業者の義務です。費用は会社負担が原則で、項目も頻度も省令で決まっています。忘れやすいのに、監督署の指導対象になります。

条文

会社に「行わせる義務」があり、従業員にも「受ける義務」があります。本人が受けたがらない場合でも、会社の義務は消えません。
ただし従業員が、会社の指定した医師ではなく別の医師で同等の健診を受け、その結果を書面で提出したときは、それで足ります。

会社に実施義務があり、労働者にも受診義務があります。「本人が嫌がるから」は理由になりません。

雇入時の健康診断

人を雇い入れるときは、次の11項目を医師に診てもらいます。

区分項目
問診既往歴・業務歴の調査/自覚症状・他覚症状の有無
身体計測身長・体重・腹囲・視力・聴力
画像胸部エックス線検査
血圧血圧の測定
血液貧血検査/肝機能検査(GOT・GPT・γ-GTP)/血中脂質検査(LDL・HDL・トリグリセライド)/血糖検査
尿・心電図尿検査(糖・蛋白)/心電図検査

費用を抑えられる例外があります。入社前3か月以内に受けた健診の結果を本人が書面で出せば、その項目は省略できます。前職の定期健診や自治体の健診が使えることがあるので、採用時に確認してください。

項目
既往歴及び業務歴の調査
自覚症状及び他覚症状の有無の検査
身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
胸部エックス線検査
血圧の測定
貧血検査(血色素量及び赤血球数)
肝機能検査(GOT・GPT・γ-GTP)
血中脂質検査(LDL・HDL・トリグリセライド)
血糖検査
尿検査(糖・蛋白)
十一心電図検査

ただし書が実務では有効です。入社前3か月以内の健診結果を本人が提出すれば、その項目は省略できます。前職の定期健診や自治体の健診が使えることがあります。

定期健康診断

そのあとは1年以内ごとに1回、定期に行います。項目は雇入時とほぼ同じで、胸部エックス線に喀痰検査が加わります。

重ねてやる必要はありません。雇入時健診を受けた人については、その日から1年間、相当する項目を省略できます。つまり入社時にやれば、次は1年後です。
また一部の項目は、厚生労働大臣が定める基準に基づいて医師が必要でないと認めれば省略できます。

3項により、雇入時健診をやれば、そこから1年間は定期健診を重ねなくてよいという運用になります。

「常時使用する労働者」とは

条文は「常時使用する労働者」としています。パート・アルバイトが含まれるかは、契約期間と労働時間で判断されます。判断に迷う場合は、労働基準監督署に確認してください。

役員は対象か

役員は労働者ではないため、原則として対象外です。ひとり法人で社長だけの間は、この義務は発生しません。ただし使用人兼務役員のように労働者としての実態がある場合は別です。→ 使用人兼務役員になれる人・なれない人

義務がなくても、ひとり法人は社長が倒れたら事業が止まります。備えとしては→ 社長に万一があったときの備え

費用と時間

健診結果は要配慮個人情報にあたります。他の書類と分けて管理してください。→ 顧客情報を扱うときの個人情報保護法

雇用まわりの手続きに組み込む

雇入時健診は、入社時の届出と同じタイミングで発生します。まとめて確認してください。→ 初めて人を雇うときの手続き労働条件の明示で書かなければならないこと

出典・根拠(条文)

6問で次にやることを出す

出典:労働安全衛生法66条、労働安全衛生規則43条・44条(e-Gov法令検索で条文を確認)。「常時使用する労働者」の範囲や賃金の取扱いは厚生労働省・労働基準監督署の案内を参照/最終確認日:2026年9月9日